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2009年5月24日 (日)

③ウィンダス1(~873年)

◆ 873年

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「突然の凶報が各地をまわった。スター国君主スター・シヴィルが変死したのである。何者かに暗殺されたのでは、と言う噂まで広まったが真偽は定かではない。」

東のミンダルシア大陸をほぼ平定し、大国となったスター国に激震が走った。スター国は西のクォン大陸を目指し、多くの魔道師団が海を越えプリーン国に遠征中であり、聖都が手薄になった間隙をついた凶事であった。君主の急死により、この年19歳になる長男のスター・ゲージホ=エジホが後継者として擁立されるが、17歳となる次男のスター・カレナ=トゥレナがこれに反発、しかしカレナ=トゥレナに従うものはごくわずかであり、一年後には鎮圧され、事態はゲージホ=エジホの元へ速やかに収束してゆく。

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◆ クォン大陸への遠征

スター国は、ロベル=アクベル宰相指揮の元、次々と敵軍を打ち破り、ミンダルシア大陸と南東のエルシモ島を領土とするのに多くの時間はかからなかった。その間、白羊戦闘魔道団長のルテテ元帥が戦死したのを除いては、元帥以上の将軍に死者はなく、人材面は充実する一方であった。この時点で大魔元帥は7人であり、シャントット院長を筆頭に、魔蠍戦闘魔道団長ゾンパ=ジッパ、宝瓶戦闘魔道団長カイル=パイル、アナコンダ傭兵団長ペリィ・ヴァシャイ、コブラ傭兵団長のロマー・ミーゴ、元ジュノ大公国で大公の弟エル'ドナーシュ・ジラート、元ギルガメッシュ国将軍のヨミ・キサラギ、と錚々(そうそう)たる顔ぶれである。

870年には、スター国プリーン国に宣戦を布告、遠征軍がバッフェル岬に上陸する。この頃、プリーン国は首都をコンシュタットに遷都しており、グスタベルグ地方の防備は比較的手薄であった。スター国軍はプリーン国共和軍団を次々と打ち破り、破竹の勢いで進撃する。

 

◆ 暗殺

星の神子、スター・シヴィルの急死は、プリーン国の奥深くに楔を打ち込んだ、まさにそんな時期であった。この凶報により遠征先の将軍達は急遽自国に帰還し、ヨミ大魔元帥のみが占領地の防備に当たるため残ることとなった。スター・シヴィルの急死は、病死なのか暗殺なのかも分からなかったが、その後の後継者争い、地方方面軍の反乱など変事が多発し内乱が相次いだため、結局真相は解明されないままうやむやとなった。だが、真実は暗殺である。その実行犯はカイル=パイル大魔元帥であった。しかし、カイル=パイル大魔元帥も後年になって非業の死を遂げるためその目的は定かではない。カイル=パイル大魔元帥自身の立場は殆ど変わっておらず、彼が心酔するロベル=アクベル宰相の権力が増したのみであった。この事件で誰が最も得をしたのであろうか。

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真実は歴史の闇の中である。

いずれにせよ、君主急死により長男のスター・ゲージホ=エジホが急遽その後を継いだが、それに従わない勢力がいくつか存在した。実弟のスター・カレナ=トゥレナがその一人である。彼は兄と違い人望もあり、知略も人より抜きん出ていた。歳もまだ若く、自分には何かができるとの確信があった。しかし、客観的に見ると自分が思っているほどの実力はなかったようである。反旗を翻したものの彼に従う臣下はごく僅かであり、数ヶ月後に自らの命を絶つこととなる。しかし、例え彼がいかに優秀であったとしても反乱は成功しなかったであろう。

スター国でも重鎮といえる将軍も反旗を翻していた。その筆頭がシャントット大魔元帥である。さらにゾンパ=ジッパ大魔元帥エル'ドナーシュ大魔元帥である。しかし彼らでも従う者は少なく、ロベル=アクベル宰相率いるスター軍によって鎮圧され、いずれの首謀者も処刑された。ゾンパ=ジッパ軍は、鎮圧されるまでにこの後5年ほど時間を要することとなるが、後に身を滅ぼす。結果的に、この内乱でスター軍シャントットゾンパ=ジッパ、エル'ドナーシュの3大魔元帥を失うこととなった。対照的に、ヨミ大魔元帥の軍勢はプリーン国の地で孤立するものの、本国が安定するまで占領した地をよく守り抜いたため、名声を得る。この内乱で最も名声を得たのは実直な彼女であろう。

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